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妻もペダルも踏み越えて 広島死闘編









 








 















 











元新聞記者 上野さんのひとりごと





















 















イチローの正と負の効果

○1995年11月号掲載

 判官びいきというのか、今回の日本シリーズはオリックスに勝ってほしかった。被災地の神戸で仰木監督の胴上げを見たかったが、結果はヤクルトの圧勝に終わった。野村監督の徹底した情報収集と分析が一枚上だった。いまや国民的人気を集めるようになったイチローも、内心悔しい思いでいっぱいだったろう。

 詰まるところ、「点と線」のちがいではなかったか。典はもちろんオリックスで、線がヤクルトだ。具体的に言うと、オリックスはイチローの存在があまりにも大き過ぎた。カリスマ的雰囲気の漂う22歳の天才打者につなげば、何とかなる。そんな空気が濃厚なチームだけに、ヤクルトにすれば対策を立てやすかった。

「速球で内角を思い切りえぐれ」。単純な攻めだが、これが奏功した。イチローという巨大だがひとつの点を抑えられたオリックスは意気消沈し、「それなら俺が」と気負い込む他の打者がむやみに大振りを繰り返した。

 対して、ヤクルト打線はまさに線だった。不動の4番といわれるオマリーですら、状況に応じて左方向への流し打ちを見せた。古田や飯田、土橋らもつなぐ意識をこめた打法が光った。だれかが抑えられても、他のだれかが何とかしてくれる。信頼という太いパイプで貫かれていたのが今季のヤクルトで、総決算が日本シリーズだった。

 抜きんでた力量を持つ特定の個人に頼る組織は、勝敗を競う際に、その存在がむしろ足かせになる恐れがあることを物語ったのが、今回のシリーズだったといってもいい。仰木監督はその事実を痛切に感じ取ったと思われる。賢明なイチローも、自分の存在がチームに与える複雑な正と負の効果を改めて噛み締めているだろう。

 オリックスよ、しかし、悲観することはない。負けてよかったと考えればいい。勝っていたら、問題点は曖昧になっていた。イチローを頼みにし、かつ頼みにしない、たくましいチーム作りに邁進してほしい。


※団体や個人の名称、役職等はすべて当時のまま。

2008 / 01 / 07 (月)



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