きょうのにっき






 





 






 





 











自転車道中膝栗毛











 







 







 






















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妻もペダルも踏み越えて 広島死闘編









 








 















 











第3回「ムチムチパンツは気持ち悪い?」

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by ホラガイ近藤




 チネリを買うた00年、ワシゃすぐに街乗りだけじゃ飽き足らんようになったんじゃ。男ならレースに出て勝負せにゃあいかん! ということで、わが広島最大のイベント、中国サイクルグランプリへの参加を決心。無論、嫁にも決意のほどをビシッと言うたった。

「おう、これからサイクルグランプリの申し込みに行ってくるけえの」
「フーン。ほんまに出るんじゃ」
 そう言いながら、ぎらりと嫁の目が光る。
「……ウン。ほいじゃア」

 書き込みを済ませた申込書、それに参加料を手に出かけた先は、チネリを購入したプロショップ、サイクルフォーラムじゃ。「どのコースでエントリーしてですか」と聞かれたので、「ファーストタイマー」、つまり初心者でお願いする。

「それでちょっとお聞きするんですが、参加されるみなさん、どオよオな格好で走られるんですか」
「そりゃアもちろん、サイクルジャージにレーサーパンツ。これしかありませんよ
「えっ、初心者でも?」
「そうですよ。一番効率のエエ格好ですからねえ」
「上はジャージでしょうけど、下もあのレーサーパンツゆうヤツですか」
「当たり前でしょうが」
「普通のジャージとかじゃあダメですか」
「ダメ、ダメ。脚は一番発熱するところじゃケエね。熱がこもるとペダルを回せんようになる。致命的ですよ。あのスタイルじゃないとダメ。みんなそうですから」

 ついに、ワシもあのパンツを穿かねばならない時が来たのか。内心、嫌じゃのオと思いつつ、レースのときだけじゃケエ、我慢するかと覚悟を決めた。
 決めて、家に帰った。

「……あのねえ」
「何」
「いやあ、今度のレース用にウエアを買おう思うんじゃけど」
「ウエアなら、いつも着よるぶんでエエんじゃないン」
「そう思うとったンじゃけどねえ、申し込みの時にフォーラムで聞いたら、店長が、みんなサイクルジャージにレーサーパンツじゃゆうて、言うちゃったンよ」
「エッ、レーサーパンツゆうて……まさか、あのパンツも穿くん?」
「ウン。店長の話によれば、レーサーパンツが一番効率のエエ格好らしいんじゃ」
「やめてえや! ムチムチして気持ち悪い! ああよオな格好をせんでも自転車には乗れるじゃあないね!」
「いや、レースの時だけじゃケエ。ワシもあんまり穿きとうはないんじゃけど……」
「なら、やめときんさい!」
「そう言わんで、試着するのを一緒に見に来て欲しいんじゃけど……」
「なんでわたしが見に行かにゃアいけんのン!」
「いや、見てもろうてから決めた方がエエ思うて……」
「ほいじゃあエエよ。どうようなのがあるンか知らんけど、ほんまに着るんじゃね」

 というわけで、嫁さんを伴い、レース前日に再びフォーラムへ足を運んだんじゃ。
「あのウエアを着る覚悟を決めてきました」
 店長、さすがに吹き出したわい。
「大袈裟な。みんなあの格好ですよ。まあ、好きなヤツを選んでください」
 まずは上のジャージ。自分の好みでサイズの合いそうなのを幾つか手に取り、嫁さんの前で胸に当ててみる。

「これ、どう?」
「似合わん」
「これは……?」
「ダメ」
「じゃあ、これ……」
「ウーン、それなら何とかなりそうなねえ。着てみれば」

 試着室に入り、早速着てみる。軽くて動きやすく、普段着のTシャツやトレーナーとは明らかにフィット感が違う。
「こりゃア、なかなかエエで」
「それでエエんじゃないン」
 と嫁さん。上についてはOKが出た。

 そこで、店長が一言。
「ほいじゃア、次はパンツじゃね」
「エエ〜ッ!! 本当にあれも穿くン? 気持ち悪い!!!」

 まあまあ、とここでまた店長がフォロー。
奥さん、気持ち悪いゆうて失礼な。みんなあの格好で走るんじゃけエ。アレが一番正しいスタイルなんよ」
「まあ、チョット穿いてみるケエ」
 レーサーパンツを穿いて試着室から出てきたワシをしげしげと見つめた嫁さん、
「ウ〜ン、やっぱり変なねエ。……でも、それしかないンよね」
 などと言いながら店内を見回して、
「アッ、こうゆうのもあるじゃないね。これを穿いてみれば……」
 と、肩掛けのついたビブショーツを勧めてくる。それならばとこれに穿きかえると、
「ああ、そのほうがまだマシじゃないン」
 と、ようやく合格点じゃ。
 冷や冷やしていた店長もニンマリ。
「それが一番。バッチリですよ」

 そこへ、嫁さんが素朴な疑問。
「ほいで、このレーサーパンツゆうて下着のパンツの上に穿くん? それとも……もしかして、直に穿くん?」
 ビシッと、店長が言うてくれた。
「そりゃア、直に決まっとります! パンツの上に穿いたらレーサーパンツの意味がないですよ!」
 嫁さんが叫んだ。
「エーッ! 直に穿くン? 恥ずかしゅうないン?」
「泳ぐときに、水着の下にパンツぅ穿く人はおらんでしょう。それと同じですよ。みんなそうなんですから」
「フーン。そういうモンなんじゃあ」
 というわけで、嫁さんもやっと納得。

 正直、ワシもこのパンツを穿くにはかなりの度胸が必要じゃったね。こんな恥ずかしいもん、サイクルグランプリが最初で最後じゃと思うとったんよ。が、このパンツ、すぐに無くてはならん必須アイテムとなったんじゃ。

(続く)

2006 / 01 / 31 (火)



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元新聞記者 上野さんのひとりごと





















 















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