きょうのにっき






 





 






 





 











自転車道中膝栗毛











 







 







 






















Bike Museum













































妻もペダルも踏み越えて 広島死闘編









 








 















 











第4回「レース直前の一っ走り、一悶着」

by ホラガイ近藤


 退職したばかりの編C長、随分と右往左往しとったが、最近になってやっと少しは落ち着いたようじゃのお。というわけで、ワシのコンテンツ、わが嫁とのバトルも再開じゃ。

 じゃがの、今年の春はそれどころじゃなかったんよ。なんせ、上の娘が小学校へ入学。彼女の人生で初の「給食生活」が始まった。好き嫌いを言わんと、しゃんと食うてくれ。
 下の娘は幼稚園の年中組に進級じゃ。去年までは姉妹一緒にバス通園しとったが、お姉ちゃんがおらんようになった途端、「朝はお父さんの自転車で行く」と言い出した。どうやら、通勤渋滞の最中、バスに1時間も乗っとるんが嫌で嫌でしょうがなかったらしい。で、毎朝ワシがキャノンデールの後ろにくっつけたチャイルドシートに乗せて幼稚園まで通うとる。

 その間にも、わが「コルナゴ作戦」は密かに、着々と進行中じゃ。先日も「散歩に連れてく」とゆう名目で下の娘を伴い、こっそりとプロショップ「サイクルフォーラム」を訪問。娘が店長にキャンディーをもろうてはしゃいどるのを尻目に、ホイールは何にしようか、コンポーネントはやっぱりカンパかと、じっくり計画を煮詰めてきたところよ。


 ところが、「散歩」を終えて家に戻った娘が、わが妻にいきなり一言。
「フォーラムでキャンディーをもろうたんよ」
「エッ、フォーラムへ行ったン? 散歩じゃ言うたじゃない。なんでね? なんでフォーラムへ行ったンね?」
「いや、チョット……」
「お父さんがチョット言うたらろくなことがないんよねえ」
「そんなこたぁないけえ。気にしんさんな」

 いかん、いかん、書いちゃいけんことまで書きそうになった。ワシが初めて「中国サイクルグランプリ」に出場したころのことに話を戻そう。これがまた、なかなかスンナリとはいかんかったんじゃ。
 チネリで走り始めて以来、そろそろ半年が近づいとった2000年9月。ワシは「フォーラム」で一枚のチラシを発見した。

「中国サイクルグランプリ2000」

 早速、店長に訊いてみる。
「このレースは誰でも参加できるんですか」
「できますよ。参加してください。最近は出場者が減ってきとって、大会運営も厳しいんで、是非ご協力を」
「どおよおなコースですか」
「結構キツイですよ。アジア大会で使われた本格的な自転車専用のコースじゃけえ。一度走ってきちゃったらどうですか。レンタサイクルもあるし、そこにウメダゆう人がおってじゃけえ、フォーラムで聞いて来た、ゆうて言えば色々教えてくれるはずじゃけえ」

 ここまで言われたら、あとへは引けん。
「今度の日曜、広島空港へ行ってくるけえ」
「なんで空港なんか行くン? また何か企らんどるン?」
「いや、チョット……」
「チョット……ゆうて何? お父さんがチョット……言うたときにゃろくなことがないんじゃケエ」
「いや、チョット、レースに出てみようか思うて……」
「エエ〜ッ!! レース?! 誰が?」
「じゃけえ、ワシが……」
「何を言いよるンね! もう40歳になろうかゆうようなオッサンが、そおよおなことをして事故にでも遭うたらどうするン!」
「……ほいじゃケエ、事故に遭わんために下見に……」
「じゃけど、どうやって行くン? ウチにはクルマもないのに」
「リムジンバスで空港まで行って、ソコから自転車コースまでは歩くケエ」
「えっ、チネリは持って行かんのン?」
「ウン、レンタサイクルで走ってくる」
「でも、レースのときはどうするン?」
「レンタカーに積んで行くわい」
「エ〜ッ?! レンタカーを借りてまでレースに出たいン? クルマを借りるんなら、どこかへ遊びに行こうやあ。エエ季節なんじゃけえ!」
「……レースに出る」
「勝手にしんさい!!!」

 そして日曜日、リムジンバスで広島空港へ向かい、バス停から歩いて中央森林公園へ足を運ぶ。ココの公園センターの別棟がレンタサイクルコーナーになっとって、有料で自転車を貸し出しとる。コース走行時はヘルメット着用義務があるので、ヘルメットも一緒にに貸してくれる。沢山用意されたヘルメットは使い回しなので、使い捨ての紙製アンダーカバー付きじゃ。コインシャワーも完備されとる。

 まずは、入口の受付けで手続き。住所と名前を書いて、自転車に着けるゼッケン番号を交付してもらう。マイチャリ持ち込みの場合は、このゼッケンを自転車につければすぐにコースへ出られる。いまんところ、コースの利用料金とゆうものはなく、持ち込みならば何時間走っても無料。

 受付の脇にはコース説明のマップが置いてあって、これにファミリーコースA・B・Cと競技用の健脚コース(12・3q)の4種類が記されとる。健脚コースは逆走不可(一方通行)で、「体力に自身のある方のみご利用ください」とゆう注意書きがついとる。
 この健脚コースこそ、毎年プロのレースで使われ、これからワシが参加しようとしとるサイクルグランプリのコースじゃ。ビギナーのワシは、本番でこのコースを1周する。

 週末には、家族連れや修学旅行生のグループが走っていることもある。家族全員で一方通行の健脚コースへ入ってしまい、親に励まされ、泣きながら自転車を押して坂を上る子供もいる。普通の人間にとって、このコースを変速機のないママチャリで一度も休憩せずに走りきることは不可能じゃ。いくら元気のエエ高校生や中学生でも無理。当然、ワシにもできん。嘘だと思う人は、一度走ってみたらエエ。

 さて、レンタサイクルを利用する場合は、まず券売機へ直行じゃ。マウンテンバイク、ロードバイク、ママチャリ、子供用自転車が用意されとる。その種類に応じて値段が決められとるんで、自分が乗るタイプのチケットを選択する。次に自分のサイズに合ったヘルメットを選び、それからいよいよ自転車じゃ。沢山用意された自転車の中から、自分のサイズに合うものを借りる。自分のサイズがわからない人でも、スタッフが決めてくれるので大丈夫。

 ココのロードレーサーのペダルは、スニーカーでも乗れるノンビンディングのクイルタイプ。初心者でもこげるように、トークリップもストラップも付属していない。ギアはフロントが52×42T、リヤが13〜24Tで、チェンジレバーはダウンチューブのクラシカルモデル。フレームはすべてPanasonicで統一されており、サドルはABOCET。このサドルは何の変哲もないサドルに見えたが、ジーンズで1時間乗りっぱなしでもお尻(尿道部分)が痛くならんかった。

 フォーラム店長から聞いていたウメダさんが自転車受け渡しの担当で、
「まあ楽しんできてくださいや」
 と、笑顔で送り出してくれた。

 健脚コースはファミリーコースと共用部分があり、そのエリアでは対向車やスピードの出し過ぎに注意しなければならない。最初の下り坂では「ブレーキチェック」の表示が目に付き、自ずとスピードをセーブすることになる。
 この下りを終えた所に吊り橋が架かっていて、これを渡って右へ行けばファミリーコース、左へ行けば健脚コースじゃ。左へ入って平地部分を少し走ると、「ここより健脚コース」の看板。いきなり、左カーブの結構急な上りになる。この坂はS字ヘアピンカーブになっていて、「勾配10%」の表示あり。
 この10%を上りきると、急に目の前が開ける。緩やかな上り勾配で、幅は100mくらいか。右手に広々とした芝生広場で、左手は運動広場へ上る傾斜地。この緩やかな上りの直線路の真ん中あたりが、レース時のスタート・ゴール地点となる。ちなみに、ここからは広島空港を離発着するジェット機が大変間近に見えるンよ。

 レンタサイクルを返却するとき、ウメダさんに訊かれた。
「1周、何分で走れましたか」
 1周目は27分台、2周目はバテて29分台、と答えると、
「そりゃア立派なモンですよ。レースのときは家族連れやノンビリ走る人はおらんけえ、思い切り走れますからね。自分の自転車で練習しちゃったら、ビギナーのコースで入賞できるかもしれませんよ」

 ときたわい。この言葉に乗せられ、気分は早くもグランプリ入賞モードじゃ。……が、そのためには課題がひとつあってのお。
「ペダルを換えようか思うんじゃけど」
「エーッ! 何でペダルを換える必要があるン? いまのもレース用じゃろう! アレでエエじゃないね!」
「いや、中央森林公園のコースには小さいカーブが沢山あるけえ、いまの大きめのペダルじゃあ擦りそうなんよ。」
「……」
「シマノのSPD-Rゆうのじゃッたら小さめで良さそうな感じなんじゃ。それにクリートも歩きやすいらしいンよ」
「……」
「ほいで、実は……もうフォーラムで頼んできたんじゃ……」
「勝手にすれば」

(続く)

2006 / 05 / 20 (土)



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元新聞記者 上野さんのひとりごと





















 















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