きょうのにっき






 





 






 





 











自転車道中膝栗毛











 







 







 






















第一章「荒川自転車道」其之参

by アカサカサイクル編C長




 手打ちうどんで胃袋を満たした後、「川岸屋」を出てからはしばらくご覧のような自転車道が続きます。田園地帯と言えば聞こえはいいけれど、ここ上尾の田園地帯たるや肥やしのニオイが鼻に突くの何の。
 それも当然でして、ふと傍らに目をやれば牛また牛。つい頭の中で動物図鑑をつくり、「牛=日本においてはとりわけ上尾に数多く生息する」てな説明文を考えたりして。
 ここで榎本牧場に寄り道すれば、おいしい自家製アイスクリームが食べられるんだけどなあ。そこから先、走る気がなくなっちゃう恐れがあるからなあ。何てったって、秋ヶ瀬公園からここまでまだ20kmとちょっと。折り返し地点のさいたま市の中央森林公園までの片道のうち、まだ半分も来ていないのです!
 さあ、とりあえずは往路の残り25km。走れや走れ、かっ飛ばせ。桶川市に入ると、右手に泉福寺の山門、左手にホンダエアポートが見えてきます。その片隅には時折、コダックだのフジカラーだのと銀色の船腹に書かれた飛行船が鎮座していて、ははあ、いつも思い出したように都内上空に出没するあの飛行船はここから離着陸しておったのか。などと、東京暮らし25年目にしてようやくひとつの謎が解けたりもする
 この先を左折し、太郎右衛門橋を渡って、ふたたび荒川自転車道のメインロードへと再合流。秋ヶ瀬公園から約30kmのここまで来ると、そこは吉身町の名所「よしみ桜公園」、またの名を「吉見八景桜堤」であります。


 出かけた時期が夏場だったもので、満開の桜をご紹介できないのはまことに残念。その代わり、私の背後に広がる見事な葉桜をご覧ください。延々1km以上にも及ぶこの桜堤、これは並木道というよりトンネルといったほうがいいでしょう。
 頭上を覆うこの並木、4月には目に鮮やかな花吹雪を舞わせ、5月には新緑の匂いで鼻を刺激し、7月ともなれば割れんばかりの蝉時雨が耳の鼓膜を震わせる。「関東で花見をするならここが一番」という宴会好きがいれば、「都心の近場で蝉を集めるのにもうってつけ」という昆虫採集マニアも少なくない。ここでは蝉を取るのに網など必要なく、手でつかみさえすればいいのだから。
 ただし、開平橋からこちら、荒川自転車道の路面は極端に荒れております。小砂利に罅割れ、ガラスの破片に投げ捨てられた空き缶が転がって、うっかり踏みつけようものならどうなるか。パンクに備えて、携帯用ポンプに予備のタイヤ&チューブをお忘れなく。
 そんな荒れた路面を通り、吉見八景桜堤を抜けてしばらく行くと、荒川自転車道は車道に合流します。中央森林公園まであと10km、道はもはや自転車のための独立したロードではなく、都内の歩道に図示された無意味な自転車道とまったく同じ。荒川通ならだれもが指摘する通り、景色にも見るべきものがなくなってしまうのですよ。


 ブツクサ言いながら、やっとこさ中央森林公園に到着であります。……しかし、往路のゴール地点にしては、いささか物足りないのが正直なところ。なにしろこの周辺、うどん屋もアイスクリーム屋も、ちょいと寝っ転がれる芝生なんてものすらないんですから。
 公園の中に入って見ようにも、なんとン百円の「入園料」を取られるのですよ。同じ中央森林公園という名前で、毎年プロロードの公式戦が行われるコースのある広島や宇都宮ですら、こんな商売はやっていない。
 そういうわけで、実は私、この公園には2度しか行ってません。専門誌が掲載しているこの自転車道のガイドを読んでも、中央森林公園までのサイクリングを勧めている記事はまずない。
 どうせ行くならJRの熊谷駅を折り返し地点にするか、正丸峠でアタックの練習でもするか。さらには長瀞まで足を伸ばし、一泊した翌日にラフティングに興ずるか。
 いや、今回はブルーザー・トモロウとの日帰りツーリング。日が高いうちに慌てて帰らなければなりません。
 何故なら、秋ヶ瀬公園の駐車場は19時で門が閉ざされてしまう。それまでに帰り着いて自転車をクルマに積み込まねば、公園から出るに出られなくなるのですよ。というわけで、復路はほとんど休憩なし、無駄口なし、ただひたすらこぎまくって25kmを一直線。
 日が暮れるのが早いか、ゴール地点の駐車場に着くのが早いか。ああ、子供のころはいつも、時間がたつのを忘れて自転車遊びに夢中になり、こうして家路を急いだものだったなあ。……おおっ、見えてきたぞ。今朝方通ってきた荒川自転車道の入口が。

 往復90km、これにて無事完走! いやあ、この夜の生ビールと焼肉の旨かったこと。
 それではみなさん、次回は伊豆大島でお目にかかりましょう!

(おわり)

2006 / 01 / 30 (月)



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